金沢のおせち料理

お正月のお菓子

しめ飾り

鏡餅

天神様

遊び

初詣

 

金沢のおせち料理

現在では一般的なおせち料理とそう変わってはいませんが、今なお必ずと言っていいほど使われる金沢ならではの料理があります。

かぶら寿し

輪切りにしたカブに寒ぶりの切り身をはさみ,麹でつけ込む漬け物です。酒の肴に最適です。我が家では時々おすそ分けでもらうぐらいですが、年末に漬け込む家庭も多いです。家庭それぞれの味わいがあり、また輪切りの大根にニシンはさんで漬け込んだ大根寿しの方が好きだという方もいます。漬物屋さんの物も遠方の方へのご贈答やお土産に喜ばれているようです。

これはいただいた物ですが、ぶりの代わりにサバがはさんであります

鮒(ふな)の甘露煮

庶民のお正月料理、尾頭付きは鯛などでなく鮒や鯉が主流でした。

1度素焼きした鮒を、水飴やじろ飴を使ってじっくり煮込み、煮浸しします。砂糖を使ってもよいです。数年前まで母が七輪で生きた鮒を素焼きし煮ていましたが、一番手間がかかるおせち料理で最近は出来合いのもを買ってきています。写真を撮るより先に私の胃の中で消化されてしまいました。頭から丸ごと食られ柔らかく美味しいです。

べろべろ(えびす)

かき玉子を寒天で固めた物です。お正月の他、お祭りの時にも食べます。これも写真より先に胃の中へ。

お雑煮

これはきわめてシンプル。全国どこを探してもこんな質素なお雑煮は無いのでしょう。簡単に言うとお吸い物にお餅入れ、セリをちらすだけ。角形ののし餅を使い、鰹と昆布でだしをとって醤油と砂糖で味を付け、餅は焼かずに煮込みセリをちらすだけです。

その他

紅白の蒲鉾(はべんといいます)や煮物など。あとは、一般的な物といっしょ。

 

お正月のお菓子

「福梅」と「辻占」

福梅は加賀藩主前田家の家紋である梅をかたどった紅白の最中です。「辻占」は巾着包みされたお菓子で、中に占いの紙が入っており、その2,3枚をあわせて1年の占いを楽しむ物です。

 

上が福梅、下が辻占

辻占の中の紙、私がひいたのは「交際してみる事」「二,三日したら返事あり」と書かれてありました。何か意味深ですね。

「福徳(ふっとく)」

打ち出の小槌や俵、巾着などの形をした最中の皮(皮だけです。中は空洞)を二つに割ると、小さな金花糖の人形が入っています。いろんな形があり、これも中をあける時の楽しみがあります。今は一個二〇〇円もするのであまり買うこともありません。

打ち出の小槌と巾着の形

中をあけると、左が招き猫の金花糖と辻占、右がおしどりの金花糖と辻占が入っていました。金花糖は口に入れる甘くとけていきます。

しめ飾り

金沢では門松は飾ってはいけなかった

藩政時代、藩の用材確保のため、松・杉・桐・欅・唐竹・樫・栗などの木を切ることを禁止していました。これを「七木(しちぼく)の禁」といい、藩の閣僚のみが門松をたてることを許されていた(お松拝領の家といわれていた)そうです。

輪締め

門松をたてることが出来なかった分、しめ縄を飾ることが発達しました。金沢のしめ縄は輪じめといい、輪は円満を表しているようです。

我が家の玄関先の輪じめのしめ縄

鏡餅

現在、金沢の鏡餅は紅白の鏡餅です。しかし、終戦前までは白の一重ねが普通でした。

天神様

天神様は前田利家の祖といわれたため、金沢では天神信仰が盛んでした。そのため、男の子が誕生すると天神様にあやからせようと天神堂を嫁の実家から嫁ぎ先へ送りました。我が家の天神堂は長兄が誕生したとき(昭和16年)、母の実家より天神堂のお金としていただいた3,000円で購入した物だそうです。現在も、その風習は一部で行っていますが、今はちょっとした物で30万円するそうです。

天神堂正面

中には人形が天神様を含め4体。あと狛犬一対、狐一対、灯籠一対が飾られています。

子供の頃、頭が良くなるよう良くお参りしなさいといわれましたが。効果のほどは・・・
(天神様は学問の神様です)

天神様の掛け軸も掛けます。昔からある古い掛け軸です。

遊び

旗源平

金沢ならではの遊びです。赤旗の平家と白旗の源氏に分かれ、サイコロを2個転がし、出た目により手持ちの旗を取り合いしていく物です。サイコロの呼び方にも特徴があり、たとえば5と1が出た場合「(う)めがいち」といい梅は前田家の紋を表しているといわれています。単純ですが結構おもしろいです。大勢でやるので大人も子供も一緒になって家族全員で楽しめます。子供の新年会では必ずと言っていいほど行われます。江戸時代からある遊びで、下級藩士や町人にも平和な時に戦乱を忘れさせないため、庶民の闘争心を養う物としても考えられていたようです。城内の大奥でも賑やかに遊ばれたそうです。

旗源平

我が家では最近やりませんが。甥や姪が小さかった頃までは良くやっていました。

こちらはお馴染み百人一首。これも、金沢では盛んな方です。

ルール

まず、源平二組に分かれます。サイコロは源平交互に振っていきます。
源平それぞれ小旗10本、中旗5本、大旗1本、まとい1本持ち、相手のを全部とったら勝ちです。サイコロの出た目をみんなで大きな声で言います。5と2ならば「ゴニゴニ」5と4ならば「ゴッシリハナカミ」2と3「ニサマノカンカント」5と3「ゴサマノカンカント」これでは旗は動きません。1と2,1と3,1と4(「チンニ」「チンサン」・・)と言います。これなら相手の小旗1本もらえます。
また、ぞろ目は小旗2本もらえ、もう一回ふる事が出来ます。1と1「チンチンカモカモ」2と2「ニャーニャー」3と3「サザナミ」4ト4「シュウジュウ」5と5「ゴンゴ」6と6「ジョウロク」と言います。
いいのは5と1「ウメガイチ」1と6「チンロク」これは中旗1本もらえもう一回振ることが出来ます。
最悪は4と2「シノニ」中旗1本返さなければなりません。それで、敵側はみんなで「シノニ」「シノニ」・・とそれがでるように、大きな声で囃したてます。
小旗10本たまると相手の中旗と交換し、中旗5本たまると大旗と交換、それで全部たまると相手のまといを奪える計算です。
相手の旗、まといすべて奪うとゲームセットとなります。単純ですが、かなりエキサイトします。

初詣

氏神様へお参りすると次に藩祖前田利家を祀ってある尾山神社へお参りする方が多いです。兼六園に隣接する金沢神社は、学問の神様菅原道真を祀ってあるので受験生が合格祈願に行きます。

神社には紅鯛(べんだい)という縁起物が売られています。木の枝にセルロイドの鯛・小判・サイコロ・打ち出の小槌などがぶら下がった物で、子供の頃は毎年買っていました。

(2000年1月)